組織コミットメント
組織コミットメントとは、社員が自分の所属する組織に対して持つ心理的な結びつきを表す概念です。
単に「会社が好き」という感情だけを意味するものではなく、なぜその組織に所属し続けようとするのかを考える際にも用いられます。
代表的な理論の一つに、マイヤーとアレンによる3要素モデルがあります。
組織コミットメントの3つの要素
情緒的コミットメント
「この組織に所属したい」という感情的な結びつきです。
継続的コミットメント
組織を離れることによる損失やコストを考え、「所属を続ける必要がある」と感じる状態です。
規範的コミットメント
「この組織に残るべきだ」という義務感に関係するものです。
この3つは、同じ「会社に残っている」という行動でも、その背景にある心理が異なることを示しています。
「辞めない社員」だから組織コミットメントが高いとは限らない
社員が会社に長く所属しているからといって、必ずしも強い愛着があるとは限りません。
「この会社で働きたい」と思っている場合もあれば、
「転職すると条件が悪くなるから」
という理由で残っている場合もあります。
表面的な勤続年数だけでは、その人が組織に対してどのような心理を持っているのかは判断できません。
組織への愛着を生むもの
社員が組織に対して心理的な結びつきを感じる背景には、さまざまな要因があります。
例えば、
・自分の仕事が認められている
・上司や同僚との関係が良い
・組織の理念や方向性に共感できる
・自分が組織に貢献していると感じられる
といった経験が関係する場合があります。
人が会社に残る理由を「給料」や「待遇」だけで考えると、その人が本当に大切にしているものを見落とすことがあります。
日本経営心理士協会では、人が組織にどのような感情を持ち、どのような関係の中で意欲や行動が変わるのかを経営心理学として体系化しています。
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組織コミットメントと離職
組織コミットメントは、離職を考える際にも研究されている概念です。
ただし、離職は給与、仕事内容、人間関係、家庭事情、キャリアなど多くの要因によって決まるため、組織コミットメントだけで離職を説明できるわけではありません。
「辞めた=会社への愛着がなかった」と単純に判断しないことが重要です。
経営心理学から見る組織コミットメント
組織との心理的な結びつきを高めるためには、「会社を好きになってほしい」と求めるのではなく、社員がどのような経験をしているのかを見る必要があります。
上司との日常的な関係、成長実感、承認、仕事の意味などの積み重ねによって、組織への感じ方は変わります。
組織コミットメントから学べること
同じ会社に所属している社員でも、そこにいる理由や組織への感情は異なります。
人材定着を考える際には、表面的な制度だけでなく、社員一人ひとりの心理を理解することが重要です。
日本経営心理士協会の「経営心理士講座」では、人が組織に対してどのような心理を持つのかを理解し、人材育成・離職防止・組織づくりに活かす方法を学びます。

この記事の執筆者
藤田 耕司(ふじた こうじ)
一般社団法人日本経営心理士協会代表理事
公認会計士、税理士、心理カウンセラー
早稲田大学卒業後、監査法人トーマツに入所。独立後、日本経営心理士協会を設立。
高い成果を残す経営者・ビジネスマンの共通点を心理学的に分析し、人間心理に基づく経営・ビジネスの手法を経営心理学として体系化。経営心理学を用いて1200件超の経営改善を行う。
その成果の高さが認められ、金融庁や日本銀行でも教鞭をとり、日経新聞やダイヤモンド、東洋経済にも掲載される。







