2020.11.12承認欲求が強い人は自己承認できているか?自己承認が経営・ビジネスに与える影響
この記事の執筆者
藤田 耕司(ふじた こうじ)
(社)日本経営心理士協会 代表理事/経営心理士、公認会計士、税理士
19歳から心理学を学び、1,200件超の経営指導の経験を基に成果を出す人の行動を心理学的に分析し、経営心理学として体系化。その内容を指導し、経営改善の成果を高める。
その手法を伝える経営心理士講座を開講。国内、海外からのべ4,000名超が受講。民間企業や金融庁でもその内容が導入される。日経新聞、日経ビジネス等、メディア取材も多数。
日本経営心理士協会代表の藤田です。
私は経営心理士として優れた経営者やビジネスパーソンの行動を心理学的に分析した結果を経営心理学として体系化し、経営のコンサルティングを行い、その内容を学ぶ経営心理士講座を主宰しています。
人から認められたい。
この気持ちを「承認欲求」といいます。
この承認欲求が仕事の原動力となっている人も少なくないでしょう。
適度な承認欲求はモチベーションをもたらし、それは他者からの評価にも繋がります。
ただ、この承認欲求が強すぎる場合、それが他者との人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、他者とうまく付き合っていくためには、この承認欲求とうまく付き合っていく必要があります。
ビジネスの現場でも上司の承認欲求が強すぎる場合、自分の評価が下がりそうになると部下のせいにする、感情的になる、部下を認めることができないなど、大きな弊害をもたらします。
これまで経営心理士として様々な企業のマネジメントの相談に応じてきましたが、上司の承認欲求の強さが原因で問題となっているケースをたくさん見てきました。
そのため、承認欲求とどう向き合うかは、経営、ビジネスにおいても重要な問題となります。
この承認欲求と向き合う鍵、それは「自己承認」にあります。
そこで今回は承認欲求と自己承認の関係についてお話しします。
この世で最も認めてもらいたい人とは?
「人から認められたい」
この承認欲求は自分だけではなく他者も同様に持っています。
そのため、他者と良好な関係を築くためには、相手を認めることが重要になります。
お互いを認め合う関係を自然な形で築くことができれば、他者と良好な関係が築けます。
ただ、素直に相手を認めることができるためには、その前提として自分を認めることができている必要があります。
この世で最も認めてもらいたい人、それは一体、誰でしょうか?
親、夫、妻、子供、恋人、上司、お客様、同僚、部下、尊敬する人…
様々な答えが考えられますが、この世で最も認めてもらいたい人、
それは「自分」という人です。
どれだけたくさんの人に認めてもらえても、「自分」という人が認めてくれないと幸せになることはなかなか難しいでしょう。
自分と向き合い、経営、ビジネスで成果を伸ばした方の事例はこちら
他者を認めるためには自分を認めることが大切
自分を認めるということ、それを「自己承認」といいます。
自己承認の度合いが高い人は、心の深い部分で大きな自信を持ちます。
自己承認の度合いが低い人は、心の深い部分で自信を持てていません。
そして、自己承認の度合いが低い人は、「自分」という人が認めてくれないため、強い欲求不満を覚えます。
この欲求不満を解消するために、「自分」という人以外の人、つまり他者から認めてもらおうとします。
これを「欠乏動機」といいます。
この欠乏動機によって他者から認めてもらおうという気持ちが強く生じます。
これが過剰な承認欲求に繋がっていきます。
その結果、他者を認めることよりも、他者から認めてもらうことを優先しがちになります。
こういった状況に陥ることを「心理的生存競争」と呼びます。
他者と結婚する前に自分と結婚する
3回の結婚と3回の離婚を経験したトレイシー・マクミランという方がいます。
彼女は「何かが足りない」、「自分はまだ完全ではない」と感じながら生きてきました。
その足りない何かを埋める為に男性と付き合い、男性から愛されていなければ自分は完全ではないと感じていました。
ただ、彼女は3人目の夫と離婚して、幸せになるために最も結婚すべきだった相手が分かったと言います。
それは「自分」という人です。
まずは自分と結婚する必要があった。
自分を愛し、自分に結婚指輪を送ることが先だった。
彼女はそのことに気付きます。
更に彼女はこう言います。
「自分と結婚すると物凄いことが起こるのです。ありのままの自分を愛するのと同じように、周りの人に対しても彼らのありのままを愛することが出来るようになります」
自己承認によってビジネスの成果を高める
十分に自分を認めることができずに心理的生存競争に状況に陥ると、素直に他者を認め、他者と良好な関係を築くことが難しくなります。
では、自分のことを認めることができているのか、自己承認できているのかを意識レベルで把握できるかというと、それはなかなか難しいものです。
ただ、他者に対する発言や行動、態度などから、間接的に推測することは可能です。
その一つが素直に他者を認めることができているかということです。
この自己承認に関しては、経営心理士講座のビジネスコミュニケーション心理士コースクラスBで扱います。
自己承認の度合いが低い人の特徴と、自己承認の度合いに最も大きな影響を与えているのは何か、そして自己承認の度合いを高めるにはどうすればよいか、といったことについて体系的にお伝えしていきます。
ある管理職の方は、自分との向き合い方を実践したところ、他者とのコミュニケーションにおいて、自分が話したいという気持ちが強く、相手を認める、相手の話を丁寧に聴くといったことができていなかったことに気付かれます。
そこで、他者とのコミュニケーションの中で自分の承認欲求を意識するようになったことで、他者とのコミュニケーションが変わり、部下との関係がずいぶんよくなり、管理職としての評価が上がったと話されます。
ある営業職の方は、お客様との商談の中で自分との向き合い方を実践したところ、お客様の話を聴くことより自分が話すことを優先していることに気付かれます。
そしてその原因は自分の承認欲求の強さにあると感じ、「認められたいならまず相手を認めよう」と、相手の話を聴くことを強く意識するようにしたところ、成約率がずいぶん伸びたとのことです。
このビジネスコミュニケーション心理士コースクラスBに関しての詳細は下記をご参照下さい。
「ビジネスコミュニケーション心理士コースクラスB」の詳細はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/applyinfo/course/business-b/
各コースの日程はこちら
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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。