2021.2.10【採用の鉄則】応募がない会社が理解すべき応募の心理
この記事の執筆者
藤田 耕司(ふじた こうじ)
(社)日本経営心理士協会 代表理事/経営心理士、公認会計士、税理士
19歳から心理学を学び、1,200件超の経営指導の経験を基に成果を出す人の行動を心理学的に分析し、経営心理学として体系化。その内容を指導し、経営改善の成果を高める。
その手法を伝える経営心理士講座を開講。国内、海外からのべ4,000名超が受講。民間企業や金融庁でもその内容が導入される。日経新聞、日経ビジネス等、メディア取材も多数。
日本経営心理士協会代表の藤田です。
私は経営心理士として優れた経営者やビジネスパーソンの行動を心理学的に分析した結果を経営心理学として体系化し、経営のコンサルティングを行っています。
人手が足りない。
このことが理由で倒産する会社が増えています。
少子高齢化の時代において人材の確保は深刻な問題となっています。
この点、多くの会社が募集しても人が採れないと頭を抱えています。
たくさんの広告費をかけて募集広告を出したが、一人も応募がなかったという会社も少なくありません。
これまで経営心理士として募集に応募しようとする人の心理を分析してきました。
そして、この応募の心理を基に応募がないと頭を抱えていた会社の採用の支援をした結果、多くの応募が来るようになりました。
こういった経験を通じて明確になった応募の心理についてお話ししたいと思います。
人が採れなくなると離職を極度に恐れるようになる
人手不足の会社においては、人を採用し、離職者を減らすことが喫緊の課題となります。
人が採れる状況であれば離職されてもまた人を採用すればいいと思えます。
しかし、人が採れない状況で離職されると人が減ったままとなり、残された従業員の負担やストレスが増え、それが更なる離職に繋がると途端に現場が回らなくなり、致命傷となります。
その状況を避けるため、人が採れない会社では離職されないように従業員のご機嫌を伺うように接している会社も少なくありません。
ある社長は、「最近の若手はすぐ辞めるから腫れ物に触わるように接している」と話されていました。
こういった状況になると従業員を叱るべき時に叱ることができなくなり、従業員に迎合するようになってしまう恐れがあります。
そうならないためにも募集をかければ人が採れる状況にしておくことが重要になります。
マーケティングとしての採用の手順
私は常々「採用はマーケティングである」とお伝えしています。
マーケティングとは、ターゲットとする人に特定の行動を起こしてもらうためのアプローチです。
集客も採用もターゲットとする人に特定の行動を起こしてもらうことを目的としている点では同じです。
その行動は集客であれば購入、採用であれば就職となります。
そのため、採用も集客と同じようにマーケティングの要素を取り入れるとその効果はぐっと上がります。
その手順は次の通りです。
①ターゲットを明確にする。
②ターゲットのニーズを明確にする。
③自社のウリや強みを明確にする。
④ターゲットにアプローチする。
⑤ターゲットのニーズを満たす形で③を伝える。
募集広告の文章はターゲットに響く内容になっているか?
集客においてはこういうマーケティングの手順を踏んで考えていたとしても、採用ではマーケティングの手順を踏まずに考えず、リクルート会社に丸投げしている会社がほとんどです。
リクルート会社も④のターゲットへのアプローチはやってくれますが、①、②、③、⑤については十分に対応してくれるところはほとんどありません。
特に②に関しては、給与の良さ、勤務時間の短さ、休みの多さ、仕事が厳しくないことなどがターゲットのニーズだと考え、そのニーズを満たすような募集広告を書こうとします。
「給与は良くて、早く帰れて、休みも多くて、仕事は楽ですよ」
こういう募集広告を見て、「この会社いいな」と思って応募してくる人は、楽して稼ぎたい人です。
そして、楽して稼げるだろうと思って入社し、入社後に期待と現実にギャップを感じ、「話が違う!」と不満を覚えます。中にはすぐに辞める方もいます。
自社が求めるターゲットはこういう人なのでしょうか?
そもそも①のターゲットが間違っていて、それに伴い②のニーズも⑤で伝えるべき自社のウリや強みも間違っている。
こういうケースを山のように見てきました。
こういったマーケティングの要素を十分に考えず、リクルート会社に丸投げして、いい人材が採れないと嘆く経営者が本当に多いです。
マーケティングとしての採用戦略
募集広告の文章は万人受けする文章を書く必要はありません。
自社が求めるターゲットに響く文章を書き、その文章に魅力を覚えて応募してきた人を採用すればよいのです。
そういう人はきっと御社が望む人材でしょう。
ターゲットを明確にし、ターゲットに響くメッセージを発信し、ターゲットを動かす。
これがマーケティングです。
重要なのは自社が求めるターゲットをどのように設定し、そのターゲットに響く文章をどのように書くかということです。
その文章を書く際に押さえるべきポイントは、人間が根源的に抱いている欲求を満たす文章を書くということです。
この点については、経営心理士講座の組織心理士コースクラスBで詳しくお伝えしていきます。
ある受講生の方は募集をかけても年に一人くらいしか応募がなかったのですが、この講座で習った内容を基に募集広告の文章を書きなおしたところ、1人の募集に対し53人の応募が来ました。
後日、「うちの会社、倍率53倍の超人気企業になっちゃいました!」と喜びの報告に来て下さいました。
また、別の受講生の方は、募集広告を書き直したところ、自社よりも給与の高いところから内定をもらっていた人が、その会社の内定を断って自社を選んでくれたとのこと。
入社後も働きぶりが素晴らしく、「本当に良い人材が採用できました。ありがとうございます!」とご報告して下さいました。
こういった事例が受講生の方から数多くご報告されております。
経営心理士講座はその成果の高さが認められ、金融庁や日本銀行、大手企業、士業の認定研修にも導入されています。
組織心理士コースクラスBの詳細は下記のリンクご参照いただければと思います。
「組織心理士コースクラスB」の詳細はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/applyinfo/course/soshiki-b/
各コースの日程はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/applyinfo/schedule/
また、経営心理士講座の説明会である体験講座「経営心理学を用いると人材と業績はこう変わる」を毎月開催しております。
体験講座では70枚超のパワーポイント資料をお渡しし、経営心理学のポイントをダイジェストでお伝えしています。
「体験講座でここまで教えてもらえると思わなかった」「体験講座なのに充実の内容に驚いた」といったご感想をいただいております。
人間心理に基づいて経営やビジネスの現場を改善していくための情報をお伝えしていますので、ご興味がございましたらご参加いただければと思います。
体験講座「経営心理学を用いると人材と業績はこう変わる」の詳細はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/open-seminar-management/
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。