傾聴力の磨き方 ~経営・ビジネスで結果を出す5つのポイント~ - 一般社団法人日本経営心理士協会
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経営心理学ブログ

2021.12.13傾聴力の磨き方 ~経営・ビジネスで結果を出す5つのポイント~

この記事の執筆者

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藤田 耕司(ふじた こうじ)

(社)日本経営心理士協会 代表理事/経営心理士、公認会計士、税理士

19歳から心理学を学び、1,200件超の経営指導の経験を基に成果を出す人の行動を心理学的に分析し、経営心理学として体系化。その内容を指導し、経営改善の成果を高める。
その手法を伝える経営心理士講座を開講。国内、海外からのべ4,000名超が受講。民間企業や金融庁でもその内容が導入される。日経新聞、日経ビジネス等、メディア取材も多数。

 

日本経営心理士協会代表理事の藤田です。

 

私は経営心理士として優れた経営者やビジネスパーソンの行動を心理学的に分析した結果を経営心理学として体系化し、経営のコンサルティングを行い、その内容を学ぶ経営心理士講座を主宰しています。

 

近年、傾聴力が注目されるようになってきました。

 

なぜここまで傾聴力が注目されるのか、それは信頼関係を構築する上で傾聴が重要であることが再認識されているからです。

 

そこでまず傾聴力と信頼の関係についてお伝えしたいと思います。

 

 

 

なぜ傾聴力が大事なのか

経営やビジネスでは、「信頼が大事」とよく言われます。

 

では、なぜ信頼が大事なのか、その理由を考えたことがあるでしょうか。

 

 

その理由の一つが、「発する言葉に力が宿るから」です。

 

厚い信頼を得ている人は一言言えば、相手は動いてくれます。

 

一方で、信頼を失った人が何を言っても相手は動いてくれないでしょう。

 

 

信頼を得た人の言葉と信頼を失った人の言葉では、相手を動かす力は全く異なります。

 

経営やビジネスでは、部下や上司、お客様、ビジネスパートナーといった人たちを動かしていくことが求められます。

 

そのため、信頼は経営やビジネスを行う上でも極めて重要になります。

 

 

 

この信頼に関して、私が主催する経営心理士講座では、「どのような人に信頼を感じるか」というテーマで1,000人を超える方にディスカッションをしていただいています。

 

このディスカッションの答えとして特に多いのが

 

親身になって話を聴いてくれる人

 

という答えです。

 

 

つまり、親身になって人の話を聴く人は信頼を得ることが多く、そういった人が発する言葉には人を動かす力が宿ります。

 

 

 

私は心理学の観点から経営改善をする仕事をしています。

 

その中で記録的な営業成績を残している方、部下から人望の厚いマネージャーの方などにお会いすることもあります。

 

こういった方に共通して言えるのは、傾聴力が高いということです。

 

 

優れた聴き方で信頼を構築し、信頼によって言葉が力を持つようになり、その結果、お客様や部下が動いてくれるようになる。

 

それが優れた成果に繋がっています。

 

つまり、傾聴力は相手を動かす力をもたらし、相手を動かす力が優れた成果をもたらすという状況にあります。

 

このことからも傾聴力は経営やビジネスの成否を左右する力であるといえます。

 

 

傾聴力を磨き、成果をあげている人の事例はこちら

 

 

 

傾聴力の磨き方

では、傾聴力はどのように磨いていけばよいのでしょうか。

 

傾聴力を磨くためのポイントはいくつかあります。

 

ここではそのうちの5つをご紹介したいと思います。

 

 

①質問力を磨く

傾聴するためには相手に話してもらう必要があります。

 

自然と相手に話してもらうためには、質問を活用することが重要です。

 

 

ただ、質問をしさえすればいいというわけではありません。

 

大事なのは相手が話したい話を引き出す質問をするということです。

 

人には、自慢話や嬉しかったこと、過去の栄光、愚痴など、話したい話があります。

 

そういった話を引き出す質問をすると、相手は「よくぞ聞いてきれました!」と熱を帯びて話してくれるでしょう。

 

そして、さらにその話を質問で掘り下げていくと、会話はより弾み、より深くなっていきます。

 

このように相手が喜ぶ話を引き出す質問を投げかけ、質問で話を掘り下げる力は傾聴力の重要な要素の一つです。

 

 

そういった質問力を磨くことで傾聴力は磨かれていきます。

 

 

質問力を高め、経営・ビジネスで成果を出されている方の事例はこちら

 

 

 

②共感力を磨く

傾聴力の高い人の特徴としてまず挙げられるのが、共感力が高いということです。

 

共感は相手にエネルギーや安心感をもたらします。

 

そのため、話し手の話に対して聴き手が共感を示せば、話し手はエネルギーや安心感を得られ、話す意欲が高まり、どんどん話すようになります。

 

一方、聴き手が話し手に対して共感を示さなければ、話し手の話す意欲は失われていきます。

 

相手の話す意欲を高める力は傾聴力の大事な要素の一つです。

 

そのため、共感力は傾聴力に大きく影響します。

 

 

 

ここで注意しなければいけないのが、共感は相手に伝わってはじめて共感したことになるということです。

 

心の中では共感しているものの、共感を表現できていないため、相手に共感が伝わっていない方は少なくありません。

 

共感を表現の仕方としては、相づちを打つ、笑う、同意する、自分も同じ経験をしたことを話すなどがあります。

 

 

聴き手が共感を表現するかどうかで、話し手の話し方は大きく変わります。

 

聴き手がしっかりと共感を表現すると、話し手は話す意欲が高まり、どんどん話してくれるようになります。

 

自分が気持ちよく、テンション高く話している時のことを思い浮かべてみてください。

 

そういう時は聴き手が、笑う、同意する、相づちを打つ、自分も同じ経験をしたことを話すなど、しっかり共感し、そして共感を表現してくれていると思います。

 

 

逆に、聴き手が共感を表現しなければ、話し手は「ちゃんと話を聴いているのかな?」「なにか不満でもあるのかな?」といった不快感や疑念を持ち、話す意欲が削がれ、話がトーンダウンしていきます。

 

 

実際の会話において、共感を表現した場合と共感を表現しなかった場合で、相手の話し方がどう変わるかを見てみてください。

 

話し手の話し方がずいぶん変わることがお分かりいただけると思います。

 

 

このように、共感力は共感する力と共感を表現する力の2つの力から構成されます

 

 

 

しかし、私が見る限り、経営やビジネスの現場で丁寧に共感を表現できている人は非常に少ないと感じています。

 

本人は丁寧に共感を表現しているつもりでも、第三者から見れば表現できておらず、その結果、話し手の話す意欲を高められず、信頼構築の機会を逃し続けている方が多いです。

 

 

一方で、会話においてしっかり共感し、共感を表現する人は会話を弾ませるのが上手なので、少ない接点でも相手と仲良くなり、信頼関係を築いていきます。

 

それが経営やビジネスの成果に繋がり、プライベートでの人間関係を豊かにします。

 

 

 

③自己開示する

話し手に共感を表現する方法の一つが、「自分も同じ経験をしたことを話す」ということです。

 

このように自分のことについて話すことを「自己開示」といいます。

 

 

話し手の話に対して共感を表現するだけだと、「本当に自分の気持ちが分かってくれてるの?」と疑問を持たれることもあります。

 

そこで自分も相手と同じ経験をしたことを話すと、「この人も同じ経験をしているんだ。だったらこの気持ち分かってくれるよね」と共感に説得力を持たせることができます。

 

 

また、人は共通点を見出せると相手に親近感を抱く性質があります。

 

そのため、自分も同じ経験をしたことを話すことで、より親近感がわき、相手に心を開いてもらいやすくなります。

 

すると会話が弾みやすく、さらに深い話をしてくれるようになります。

 

 

ただ、自己開示をする上で注意しなければいけないのが、自分が話し過ぎてしまうことです。

 

自分の話は長くなり過ぎない程度に切り上げて、相手の話に話を戻す意識を強く持つことが重要です。

 

つい自己開示が長くなってしまうというのはやってしまいがちなことなので、よく注意してください。

 

 

 

④純粋に興味を持つ

目は興味を持ったものを見る際には、より多くの情報を入手しようと瞳孔が開きます。

 

瞳孔が開いた状態にある時、目がキラキラ輝いた状態になります。

 

一方、興味を持たずに話を聞いていれば目が輝くことはありません。

 

そのため、目の輝きを見ていれば相手が自分の話に興味があるかどうかが分かります。

 

瞳孔の開き具合を意識することはあまりないと思いますが、人は無意識のうちに目の輝きから相手に対する印象を形成します。

 

 

 

また、人は何らかの感情を抱いた際には、感情のピークを迎えた後も余韻として自然とその感情が残ります。

 

例えば、「面白い!」と感じて笑った時、笑っている表情から普通の表情に戻るまでには、自然な表情の推移があります。

 

そして、笑いのピークが過ぎた後も、小さく思い出し笑いをするような余韻があります。

 

一方、表面的には笑っていても心の中では笑っていない場合、笑顔から普通の顔に戻るまでの表情の推移がなく、ぱっと表情が切り替わったり、感情の余韻がなかったりします。

 

 

 

そのため、目の輝き、表情の推移、感情の余韻などを見れば、心から共感しているかどうかは分かります。

 

共感力を高め、傾聴力を磨くことを本気で考えるのであれば、表面的な共感ではなく、純粋に相手の話に興味を持ち、共感できる点については心から共感するという姿勢で臨むことが大事です。

 

当たり前のような話ですが、ここは傾聴力に大きな差が生じるところです。

 

 

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⑤話をさえぎらない

人は「自分の発した言葉を大切に扱って欲しい」という気持ちを強く抱いています。

 

そのため、自分が発した言葉をさえぎられると不快感を覚え、時には傷つきます。

 

そして話し手の話す意欲は削がれます。

 

そのため、傾聴力を磨く上で相手の話をさえぎるということは特にやってはいけないことです。

 

 

 

ただ、これをやってしまいがちな人がいます。

 

それが頭の回転が速い人です。

 

 

頭の回転が速い人は相手が話し終わる前に相手の言いたいことが分かり、それに対して自分が言うことも決まってしまいます。

 

そうなると相手が話し終わるのを待てずに相手の話をさえぎって自分が話してしまいます。

 

 

 

私の知り合いに非常に頭の回転が速く、仕事も早い人がいました。

 

ただ、その人は誰かと話す際、ほぼ毎回相手が話し終える前にその話をさえぎって話していました。

 

相手は不快感を覚えるものの、本人はそれに気付いていませんでした。

 

その結果、その人は仕事はできるものの人がついてこない人になっていました。

 

非常にもったいないと感じたものです。

 

 

本当の意味で優秀な人は頭の回転が速くても相手の話をさえぎらずに最後まで話を聴くことができます。

 

なぜなら、信頼関係を築く上でそういった聴き方ができるかどうかがいかに重要かが分かっているからです。

 

 

 

以上、本記事では傾聴力の概要に関する5つのポイントについてお伝えしてきました。

 

 

私が主催する経営心理士講座の経営心理入門では、受講生の方に「どのような話の聴き方をしてもらえると、この人は信頼できそうだと感じるか?」というテーマでこれまで1,000名以上の方にディスカッションをやっていただきました。

 

そこで出た意見を記録し、その内容を分析してきました。

その結果、傾聴力を高め、それを経営やビジネスに活かす上で重要になる明確な傾向があることが分かりました。 

経営心理入門ではその傾向と心理学的解説、経営・ビジネスへの活かし方、その具体事例について体系的にお伝えしていきます。

 

  1. 経営心理士講座はその成果の高さが認められ、金融庁や日本銀行、大手企業、士業の認定研修にも導入されています。

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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

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