2020.9.3【営業の要点】成約率が高い営業マンの説明の仕方/商品に価値を感じる時とは?
この記事の執筆者
藤田 耕司(ふじた こうじ)
(社)日本経営心理士協会 代表理事/経営心理士、公認会計士、税理士
19歳から心理学を学び、1,200件超の経営指導の経験を基に成果を出す人の行動を心理学的に分析し、経営心理学として体系化。その内容を指導し、経営改善の成果を高める。
その手法を伝える経営心理士講座を開講。国内、海外からのべ4,000名超が受講。民間企業や金融庁でもその内容が導入される。日経新聞、日経ビジネス等、メディア取材も多数。
日本経営心理士協会代表の藤田です。
私は経営心理士として優れた経営者やビジネスパーソンの行動を心理学的に分析した結果を経営心理学として体系化し、経営のコンサルティングを行い、その内容を学ぶ経営心理士講座を主宰しています。
経営のご相談の中で、営業マンの営業力を上げたいというご相談は多くあります。
これまでそのご相談を受けた際、営業マンの方の営業に同行させてもらい、営業の状況を分析してきましたが、ほとんど場合、次のような状況にあります。
先方の会社に訪問し、雑談で和やかな空気を作る。
「で、今日、お伺いしたのは…」とパンフレットを広げ、会社の説明をする。
その後、商品の内容を説明する。
「ではまたご検討いただければと思います」と伝え、その後、連絡が来ない。
フォローの連絡をしても、反応が悪く、ほとんど相手にしてもらえない。
その原因の一つとして考えられるのが、商品の価値を伝えられていないということです。
その場合、重要になるのが価値の心理です。
売上を伸ばす上では商品の価値を伝えることが必須となります。
これまで経営心理士として商品に価値を感じる心理について、成約率の高い営業マンの提案の仕方を消費者心理の観点から分析してきました。
その結果、人がどういう時に商品に価値を感じるかについての傾向が明らかになってきました。
その価値の伝え方をご指導したところ、多くのお客様が成果を残されるようになりました。
その実際の事例はこちらをご参照ください。
商品に価値を感じる心理を理解し、成果をあげた方の事例はこちら
今回は商品に価値を感じる心理の基本的な部分についてお話しします。
商品を買うかどうかを判断する際の心理
商品を売るということをするためには、お客様に商品の価値を伝える必要があります。
そしてお客様は商品に値段以上の価値を感じれば、商品を買おうとします。
商品の価値を伝える上では、商品の内容を説明することはもちろん必要になります。
ただ、商品の内容を説明すれば価値を感じてもらえるでしょうか。
ご自身が買い物をする時のことを思い浮かべてみて下さい。
「商品の説明を受けて内容はよく分かった。で、この商品を買ったら自分の仕事や生活、人生はどう変わるんだろう?」
そんなことを思い浮かべないでしょうか。
つまり、人は商品を買うかどうかを判断する際、無意識のうちに商品を買った後の未来に想いをめぐらせます。
商品に価値を感じる時、感じない時
お客様は商品を買った後の未来を想像し、その未来が魅力的であればあるほど、そして実現可能性が高いと感じるほど、商品に高い価値を感じます。
そして、高いお金を払ってでもその商品を手に入れようとします。
一方で下記のような場合は、商品に高い価値を感じることができません。
①買った後の未来がどうなるのかがイメージできない
②買った後の未来はイメージできるが、そのイメージが魅力的ではない
③買った後の未来のイメージが魅力的であったとしても、実現可能性が高いと思えない
つまり、商品の内容をいかに丁寧に分かりやすく説明できたとしても、上記①~③の状況にあるとお客様は商品に価値を感じることができず、その結果、成約に繋がらなかったりします。
そのため、成約率を上げる要点は上記①~③の状況を解消する説明をし、商品に高い価値を感じてもらうことにあります。
魅力的な未来をイメージしてもらう販売実験
ケーブルテレビを導入させるためにどのようなセールストークをすればよいかの実験があります。
その実験では下記の2つの方法でケーブルテレビの導入を勧めました。
①ケーブルテレビの長所を伝えるだけ
②ケーブルテレビを導入することで娯楽パターンがどのように広がるかをイメージさせた
この実験の結果、①の契約率は19.5%だったのに対し、②の契約率は47.4%でした。
この結果からも、魅力的な未来をイメージしてもらうことがいかに成約率を高める上で重要かはお分かりいただけると思います。
魅力的な未来とそれを伝える表現にはパターンがある
私もこれまで多くの営業マンを指導し、また多くの営業マンから営業を受けてきました。
ただ、お客様が商品を買った後、どのような魅力的な未来が待っているのかのイメージができるような説明の仕方ができている人はほとんどいませんでした。
それで売れないと「数打てば当たる」とより多くのお客様にアプローチしようとします。
確かに数をこなすことも大事です。
ただ、高い成約率で数をこなすことができたとしたら、どうでしょうか。
売上の伸び方に圧倒的な差がつくことは言うまでもないでしょう。
高い成約率を残すためにも、魅力的な未来をどのようにイメージしてもらうかが重要になりますが、どのような未来に魅力を覚えるかについては一定のパターンがあります。
また、そのパターンに基づいて魅力的な未来をどう表現するかも重要な要素ですが、この表現に関してもいくつかのパターンがあります。
このパターンに合わせて魅力的な未来を表現できるように準備した上で、それを効果的に伝えるための会話の流れを設計しておくことが、成約率を高めるためには欠かせません。
成約率が16.7%から66.7%にアップ
今回は商品に価値を感じる心理の基本的な部分についてお伝えしました。
ここからさらに魅力的な未来のパターン、それの未来の表現のパターン、そしてその未来を効果的に伝えるための会話の流れを設計し、商品の価値を正しく伝えていくことが重要になります。
これらの方法については、経営心理士講座の顧客心理士コースクラスAで体系的にお伝えします。
営業部門の課長職である受講生の方は、営業マンにお客様との電話営業の際に魅力的な未来についての会話を展開するように指導したところ、その課の成約率が16.7%から66.7%までに上がり、扱われている商品が不動産であったことから売上が数十億円上がったとの報告を受けました。
また、ある税理士の受講生の方は、顧問税理士を切り換えたいという経営者の方との打ち合わせにおいて、ただ顧問税務業務の話をするだけでなく、その経営者の方にとっての魅力的な未来を表現することで、結果として年間140万円の税務顧問契約に加え、年間240万円の財務コンサルティング契約も獲得されました。
今まであれば、月3万円の税務顧問契約を取るのが精一杯だったと話されます。
この顧客心理士コースクラスAの詳細は下記のリンクご参照いただければと思います。
「顧客心理士コースクラスA」の詳細はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/applyinfo/course/kokyaku/
各コースの日程はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/applyinfo/schedule/
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経営心理士講座はその成果の高さが認められ、金融庁や日本銀行、大手企業、士業の認定研修にも導入されています。
また、経営心理士講座の説明会である体験講座「経営心理学を用いると人材と業績はこう変わる」を毎月開催しております。
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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。