受講生の成果 経営心理士の活躍
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ウィンザー効果

ウィンザー効果とは、本人や当事者から直接聞く情報よりも、第三者から聞いた情報の方が信頼されやすい場合がある、という傾向を表す言葉として使われています。

例えば、企業自身が「この商品は高品質です」と伝えるよりも、実際の利用者が「使ってみて良かった」と評価している方が、信頼できる情報として受け取られることがあります。

こうした第三者情報の影響は、口コミ、レビュー、紹介、推薦など、さまざまな場面で見られます。

ただし、「ウィンザー効果」は、心理学において明確に定義された代表的な実験名や確立された理論名というよりも、第三者からの情報が信頼されやすい傾向を説明する一般的な用語として使われることが多い言葉です。

そのため、「第三者が言えば必ず信じてもらえる」という法則として捉えるのではなく、情報源の信頼性や利害関係によって、受け止められ方は変わると考えることが重要です。

 

なぜ第三者の情報は信頼されやすいのか

企業や販売者が自社の商品を褒める場合、その情報には「売りたい」という利害関係があると受け取られることがあります。

そのため、消費者は「宣伝だから良く言っているのではないか」と考える場合があります。

一方、商品を販売する立場ではない第三者の評価であれば、「自分に売るために言っているわけではない」と感じられやすく、情報の信頼性が高く評価されることがあります。

例えば、次のような情報です。

・実際の利用者による口コミ
・取引先からの推薦
・専門家による評価
・知人からの紹介
・第三者メディアによる記事

ただし、「第三者である」というだけで情報が信頼できるとは限りません。

情報を発信している人が企業から報酬を受けていたり、利害関係があったりする場合には、その点も含めて判断する必要があります。

 

口コミとウィンザー効果

ウィンザー効果の代表的な例として挙げられることが多いのが、口コミです。

消費者が商品やサービスを選ぶ際、自社サイトの説明だけでなく、利用者のレビューやSNSの投稿を参考にすることがあります。

実際に利用した人の感想は、商品の使いやすさ、接客、サービスの実態など、企業側の説明だけでは分からない情報を提供する場合があります。

そのため、第三者の口コミは、購入を検討している人の判断材料になりやすいと考えられます。

ただし、口コミには主観が含まれます。

ある人にとって非常に良い商品でも、別の人にとって同じ評価になるとは限りません。

また、口コミの数や評価点だけを見るのではなく、どのような人が、どのような状況で利用したのかを見ることも重要です。

 

BtoBビジネスでも第三者評価は重要

第三者からの評価は、一般消費者向けの商品だけでなく、BtoBビジネスでも活用されています。

例えば、企業が新しいシステムやコンサルティングサービスを検討する場合、提供企業の説明だけではなく、「どの企業が導入しているか」「導入企業でどのような成果があったか」などを確認することがあります。

そのため、導入事例、顧客インタビュー、推薦コメントなどは、サービスの信頼性を伝えるための重要な情報になります。

特に、高額な商品やサービス、契約期間が長いサービスなどでは、購入や契約のリスクが大きいため、第三者の実績や評価を確認したいという心理が働きやすくなります。

 

営業やマーケティングでは、自社が「良い商品です」と説明するだけでなく、顧客が何を不安に感じ、どのような情報があれば安心して判断できるのかを考えることが重要です。

第三者の評価が有効なのも、単に「他人が言っているから」ではなく、相手が感じている不安や判断のリスクを下げる材料になるからです。

日本経営心理士協会では、こうした人の感情や価値の感じ方、信頼形成、意思決定の心理を、営業・マーケティング・マネジメントなどに活かす「経営心理学」を体系化し、「経営心理士講座」でお伝えしています。

2015年の開講以来、のべ10,000名以上の方が受講されています。

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有名人が紹介すれば必ず信頼されるわけではない

ウィンザー効果について、「有名人に紹介してもらえば信頼される」と説明されることがあります。

しかし、有名であることと、情報源として信頼できることは同じではありません。

例えば、商品について専門知識を持っていない著名人が広告として商品を紹介している場合、その情報を「第三者による客観的評価」とは受け取らない人もいます。

また、消費者が「広告案件だ」と認識すれば、企業自身の広告と同じように受け止める可能性もあります。

第三者情報の信頼性を高めるためには、その人がなぜその商品を評価しているのか、どのような経験や知識を持っているのか、企業との利害関係があるのかなども重要になります。

 

インフルエンサーマーケティングと第三者情報

SNSでは、インフルエンサーなどに商品やサービスを紹介してもらうマーケティングが行われています。

フォロワーがその人の価値観や発信内容を信頼している場合、その紹介が商品の認知や購入判断に影響することがあります。

一方で、企業から商品提供や報酬を受けているにもかかわらず、その関係を明らかにせず、あたかも個人的な感想であるかのように紹介すると、消費者を誤認させる可能性があります。

日本では、2023年10月1日から、広告であることを隠して宣伝するいわゆるステルスマーケティングが、景品表示法上の不当表示の対象となっています。

そのため、広告・PRとして投稿を依頼する場合には、企業との関係が分かる形で表示することが重要です。

第三者からの情報が信頼されやすいからこそ、広告であることを隠してその信頼を利用しないことが求められます。

 

口コミを意図的に作ることには注意が必要

第三者の評価が購買行動に影響するからといって、企業が架空の口コミを書いたり、利用していない人に良い評価を書かせたりすることは適切ではありません。

また、競合企業の商品について虚偽の悪い口コミを投稿することも問題になります。

短期的には評価を高く見せることができても、その事実が明らかになれば、企業そのものへの信頼を大きく損なう可能性があります。

第三者評価を活用する場合には、実際の利用者や取引先から、事実に基づく評価を得ることが重要です。

 

第三者評価をマーケティングに活かす方法

第三者からの評価を活用する場合には、単に「お客様から好評です」と伝えるだけではなく、具体的な情報を示すことが重要です。

 

▽顧客の具体的な体験を伝える

例えば、「とても良かった」というコメントだけでは、何が良かったのか分かりません。

「導入前にどのような課題があり、導入後に何が変わったのか」を具体的に伝えることで、同じ課題を持つ顧客が自分自身に置き換えて考えやすくなります。

 

▽誰の評価なのかを明確にする

可能であれば、業種、役職、利用目的などを示すことで、読み手は「自分と近い立場の人の評価なのか」を判断しやすくなります。

ただし、本人の許可なく氏名や会社名、写真などを掲載しないことは当然必要です。

 

▽良い面だけを誇張しない

実際の顧客のコメントを、意味が変わるように切り取ったり、成果を必要以上に一般化したりすると、かえって信頼性を損なう可能性があります。

「この顧客ではこういう結果になった」という事実と、「誰でも同じ結果になる」という主張は分けて考える必要があります。

 

営業でも「自分で言う」より第三者の事実が有効な場合がある

営業担当者が「当社の商品は非常に良いです」と繰り返すだけでは、顧客は「売りたいから言っている」と受け取る場合があります。

そこで、実際に導入した企業の事例や、利用者から寄せられた評価を紹介することで、判断材料を増やすことができます。

例えば、「この商品は使いやすいです」と営業担当者が説明するだけではなく、「同じ業界の企業では、こういう使い方をされています」と事実を示す方法があります。

この場合も、重要なのは第三者の言葉を使えば必ず説得できるということではありません。

顧客が何に不安を感じているのかを理解し、その不安を解消するために必要な情報を提供することが重要です。

 

ウィンザー効果は「第三者なら信用される」という法則ではない

ウィンザー効果は、第三者からの情報が信頼されやすい場合があることを説明する際に便利な言葉です。

しかし、第三者の発言であれば無条件に信用されるわけではありません。

発信者が誰なのか、その人に専門性や経験があるのか、企業との利害関係はあるのか、情報に具体的な根拠があるのかなどによって、信頼性は変わります。

そのため、営業やマーケティングで第三者評価を活用する場合にも、「誰かに褒めてもらえばよい」と考えるのではなく、相手が何を判断材料として必要としているのかを考えることが重要です。

特に、高額な商品や重要な意思決定では、人は「失敗したくない」という不安を持ちやすくなります。

そのとき、同じ立場の顧客の事例や具体的な成果、信頼できる第三者の評価が、その不安を小さくする材料になることがあります。

日本経営心理士協会の「経営心理士講座」では、人が何に信頼を感じ、何に不安を感じ、どのような情報によって価値を認識し、意思決定するのかという心理を、営業・マーケティング・顧客との関係構築などに活かす方法を学びます。

自社の商品を一方的に説明する営業ではなく、相手の心理を理解し、納得して選んでもらえる伝え方を身につけたい方は、経営心理学の考え方も参考にしてみてください。

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この記事の執筆者

藤田 耕司(ふじた こうじ)

一般社団法人日本経営心理士協会代表理事
公認会計士、税理士、心理カウンセラー

早稲田大学卒業後、監査法人トーマツに入所。独立後、日本経営心理士協会を設立。
高い成果を残す経営者・ビジネスマンの共通点を心理学的に分析し、人間心理に基づく経営・ビジネスの手法を経営心理学として体系化。経営心理学を用いて1200件超の経営改善を行う。
その成果の高さが認められ、金融庁や日本銀行でも教鞭をとり、日経新聞やダイヤモンド、東洋経済にも掲載される。

       
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