ハロー効果
ハロー効果とは対象を評価する際、その対象が持つ顕著な特徴に印象が引きずられてしまうことで対象の評価が歪んでしまう心理現象のことです。
心理学者のエドワード・ソーンダイクによって名付けられたこの現象は「ハローエラー」「光背効果」「後光効果」ともいわれています。
「ハロー(halo)」は後光や後輪を意味します。
例えば、テレビコマーシャルなどで好感度の高いタレントが商品を紹介することにより、その商品をより良く見せる、選挙応援演説に人気政治家が駆けつけることで候補者の印象が良くなるなどといった効果はもちろん、身近なところでは、転職活動の際に卒業大学名で信頼されやすくなったり、英語が話せることで仕事ができるといったイメージを持たれたりすることなどもハロー効果の一種といえます。
ポジティブハロー効果とネガティブハロー効果
ハロー効果には、ポジティブハロー効果とネガティブハロー効果の2種類があります。
例えば、高級車に乗っている人仕事ができそうと評価したり、反対に清潔感のない人収入が低そうと評価したりすることが挙げられます。
私たちの持つこうしたイメージは、ハロー効果のような先入観によって形成されていることも多く、実態とズレがあるかもしれないことを想定することは、物事を客観的、中立的に把握する上で重要なことであるといえます。
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ハロー効果を活用したマーケティング戦略
マーケティングにおいてもハロー効果を応用することができます。
ここでは主な3つを紹介していきます。
・口コミの掲載
飲食店や美容院など、初めて訪れる場所を調べる際、インターネットの口コミを参考に店舗を決めた経験があるという人も多いのではないでしょうか。
店舗を訪れたユーザーの書き込みや、星・点数での評価は、確かに一つの指標とはなります。
また、評価の高い店舗に予約・来店が集中する傾向にもあります。ですが、実際には口コミがない店舗の評価が低いとは限りません。
それにもかかわらず、評価の高い店舗に予約・来店が集中する傾向にもあるのは、評価が高い=自分も満足できるだろうという先入観が働くためです。
ユーザーのそうした心理を活用し、プラスイメージにつながる口コミや高評価を増やせるような店舗運営をすることによって、新規顧客来店を促進することができます。
・著名人・有名人の起用
著名人・有名人を起用することによって、「自分の知っている人(著名人・有名人)が勧めている商品だから、きっといいものにちがいない」といったポジティブなハロー効果を生み出すことができます。
商品やサービスのイメージアップにつながる可能性がある一方で、注意しなければならないのは、その商品やサービスに持たせたいイメージや、ターゲット層を無視してはならないことです。
例えば、高齢者をターゲットとした商品について、若者に人気のタレントを起用したとしても、商品のターゲット層に届きにくく、ハロー効果に繋がりません。
このため、著名人・有名人の起用については、商品・サービスや市場を調査したうえでその目的に沿った人物を慎重に選んでいく必要があります。
・ブランディング戦略
企業の価値を高めるために行うブランディング戦略についても、ハロー効果を応用することができます。
強力なブランドイメージを作ることができれば、これまでのように高額な広告宣伝費をかけずとも集客を実現することができるなど、その効果は大きくなります。
例えば、「高品質・低価格な家具屋ならここ」「50歳以上の大人旅が充実している旅行会社ならここ」などといったイメージです。
メディアへ繰り返し露出を行うことや、既存客からの口コミを集めることなどを継続して行うことにより、中長期的な視点で大きな効果が期待できます。
ハロー効果を活用してビジネスを成功へ導くために
人は知らず知らずのうちに、先入観や環境によって非合理的な判断をしてしまうことがあります。
こうした人間の持つ認知バイアスをうまく活用して、自身のイメージをアップさせたり、自社商品・サービスをブランド化させたりするなど、ハロー効果をうまく活用することで、ビジネスを成功へ導いていくことは可能となります。
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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。