ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、他者から期待されることによって、学習や作業などの成果が上がる現象です。
マネジメントにおいても多くの効果が期待されています。
ピグマリオン効果に関する実験
1964年、サンフランシスコの小学校で、担任にある名簿を見せ、この名簿に記載されている児童は検査の結果、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子供達だと伝えました。
しかし、実際はその名簿は無作為に選ばれた子供たちの名簿でした。
その後、担任は子供達の成績が向上するという期待を込めて、その子供達を見ていたところ、実際に成績が向上していきました。
この実験では成績が向上した原因として、担任が子供たちに期待のこもった眼差しを向けたことと、子供達も期待されていることを意識し、その期待に応えようとしたことで成績が向上したと主張されています。
ピグマリオン効果のビジネスにおける活用
ビジネスにおいても、上司が部下に期待を伝え、実際に期待を持つことで、部下はその期待に応えようとすることにより、部下の仕事の質の向上や、成長スピードが速くなることによって、生産性が上がることが考えられます。
このようにピグマリオン効果を活用することによって、部下の仕事の生産性向上が期待できることは大きなメリットと言えるでしょう。
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ビジネスでピグマリオン効果を引き出す方法
1 心から期待する
上司が部下に期待しているかどうかは、上司の表情や会話の内容に無意識的に表れます。
そういったところから部下は自分が期待されているかどうかを感じ取ります。
そのため、上司は心から部下に期待することが重要です。
そこで必要なのが、期待するだけの根拠を持つことです。
これまでの仕事ぶりや実績、経歴などから、きっとこういう仕事であれば成果を出してくれるだろうという根拠を見出しましょう。
2 言葉でも期待を伝える
期待していることを言葉で伝えることも大切なアプローチです。
その際にこれまでの仕事ぶりや実績、経歴などを踏まえて、本人が納得する形で伝えることが重要です。
何の根拠もなく過剰な期待を伝えることは部下からの不信を招きかねないため、注意が必要です。
3 目標を与え、達成させる
部下に具体的な目標を与え、達成してもらうことで、上司の部下に対する期待は確固たるものに変わっていきます。
そのためにも、はじめは達成しやすい目標から与えることが重要です。
また、部下自身も目標を達成することで自信を得ることができ、その自信が次の目標達成の原動力となります。
逆に、高過ぎる目標を与え、それを達成できなかった場合、上司の部下に対する期待も薄らぎ、部下本人も自信を失うおそれがあります。
目標の難易度には十分に留意しましょう。
4 十分な裁量を与える
部下は十分な裁量や権限を与えられたかどうかで上司の期待の度合いを判断します。
期待をしていると言われてもそれに見合う裁量や権限が与えられなければ、十分に期待されているとは感じにくいでしょう。
十分な裁量や権限を与えることは、上司の期待を伝える重要な手段です。
ピグマリオン効果の由来
ピグマリオン効果の語源はギリシャ神話にまでさかのぼります。
キプロス島に住むピグマリオンは、自分が彫り上げた女性像の美しさに心を奪われ、女性像が本物の女性に変わってくれないかと願ったところ、神様が彫刻に生命を吹き込んでくれ、ピグマリオンはめでたくこの女性と結婚することができたという話です。
この神話から、「心から期待すれば相手はいつかその期待に応えてくれる」という意味で、ピグマリオン効果と名づけられたといわれています。
ゴーレム効果
ピグマリオン効果の真逆の意味を持つのが、ゴーレム効果です。
ゴーレム効果とは、相手に期待されないことによって成果が低下してしまうことです。
ビジネスのシーンでは上司が部下にマイナスな発言をすることで、部下のモチベーションや生産性の低下を引き起こしてしまう可能性があります。
そうなると、利益の低下や離職など多くのデメリットを引き起こしてしまうため、ゴーレム効果に注意することも必要です。
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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。