1on1 - 一般社団法人日本経営心理士協会
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1on1

1on1ミーティング(1on1)とは部下の成長促進を目的とした、上司と部下の1対1で行うミーティングのことです。

従来、上司と部下の1対1で行うミーティングといえば、人事評価面談など、上司から部下への評価や管理を行う一方的なものでした。
しかし、1on1では上司から部下へのアドバイスを行うことはもちろん、部下から上司への気づきの共有を行うなど、双方向のコミュニケーションを行います。

こうした「双方向・対話型」のコミュニケーションの機会を定期的にとることで、双方の信頼を構築し、成長を促すことが、1on1の目的です。

 

多くの企業で実践される1on1

1on1が広く知られるようになったきっかけに1冊の本があります。
それは、世界的半導体メーカー・インテルの元CEO、アンドリュー・S・グローブ氏の著書、『ワン・オン・ワン―快適人間関係を作るマネジメント手法』*です。

アンドリュー氏によってその重要性が提唱されたのを機に、Googleなど世界をけん引するIT企業が集まるシリコンバレーを中心とした米国の多くの企業で実践されるようになり、今では日本国内でも大手企業に加え、ベンチャー・スタートアップ企業でも多く取り入れられるまでになりました。

*1990年発刊…2017年に『HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント』として復刊

国内で1on1を実践し、組織変革に成功した事例としてよく取り上げられるのがヤフー株式会社です。

ヤフーでは、「経験学習スキームの導入」と「社員の才能と情熱を解き放つこと」の2つを1on1のベースとし、週に1度30分間部下の話を聞くことを、2012年の導入以降、実践しています。

 

1on1が近年注目を集める理由

なぜこれほどまでに、1on1が近年注目されているのでしょうか。

その理由はいくつかあり、例えば

  • 多様化する働き方への対応
  • 減少する労働人口・労働力の最大化
  • モチベーション低下・離職の防止

など、経営者・マネジャー層の多くが抱えている課題を解決する方法として、1on1が期待されているからです。

さらに、1on1を実践し続けることにより、上司と部下の間に、

  • 相互理解促進
  • 信頼関係の構築
  • モチベーション向上、キャリア構築

といった効果が見られるようになり、最終的には1on1を通じた人材育成によって、企業(事業)の生産性向上や業績向上につながることが、インテルやヤフーをはじめとした多くの企業でも実証されているからです。

 

1on1で上司に求められるスキル

さて、ここまで読んでいただいた方には、1on1を実践すること・実践し続けることの重要性がイメージできたかと思います。
では、具体的に1on1を行うにあたり、どういった点に注意すればよいのでしょうか。

もっとも意識していただきたい点は、1on1は「部下のための時間」だということです。
1on1は評価面談と異なり、部下の成長促進を目的とした対話の時間であるため、上司が一方的に話すことや業務の進捗報告の時間ではありません。

部下自らが話をできるように促すことが必要ですが、その際、上司に求められるのは部下の話を最後まで聞く「傾聴」の姿勢です。
折角の1on1の場でも、上司が部下の話を最後まで聞かず、一方的にアドバイスをするだけになってしまうと、部下は「なんでも話す」ということに躊躇してしまいます。
部下の心理的安全性を確保することで、部下自身の仕事に対する課題や目標、自身の悩みや希望などがはじめて言語化されていくのです。

そして、1on1の最終目的は「部下の話を聞くこと」ではありません。
部下の成長を促進し、ひいてはそれが組織の成長に繋がることが、1on1の最終目的であり、意義です。

そのために上司は「ただ、話を聞く」のではなく、傾聴の姿勢で部下の伝えたいことをくみ取り、ティーチング・コーチング・フィードバックなどを意識的かつ効果的に使い分ける高度なコミュニケーションスキルが求められます。

 

1on1の実践頻度

1on1は評価面談のように「1年あるいは半期に一度」といった頻度ではなく、より頻繁に行うことが望ましいとされています。

1on1に限ったことではありませんが、コミュニケーションの頻度は多いほど、双方の距離を縮め、信頼関係を深めることに繋がります。
月に1回、週に1回など、定期的な1on1ミーティングを行うことで、部下との信頼関係を構築し、安心して話してもらえる機会を作ることができるようになっていくでしょう。

 

1on1で変化する時代に対応する人材を育てる

近年、働き方の多様化・ダイバーシティ化が進んでいます。
リモートワーク、時短勤務、外国人雇用、育児・介護との両立など、様々な働き方やライフスタイルの人材とともに働き、成長させていくことが、経営者・マネジャーの重要な業務の1つとなりました。

1on1の意義・目的を正しく理解し、部下への心的安全性を保ちながら実践することと、高いコミュニケーション能力で組織の成長に繋がる部下の成長を促すことが、上司である経営者・マネジャーに求められる重要なスキルといえるでしょう。

 

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https://keiei-shinri.or.jp/?Glossary

 

では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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