ヤマアラシのジレンマ - 一般社団法人日本経営心理士協会
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ヤマアラシのジレンマ

ヤマアラシのジレンマとは、人間同士が互いに仲良くなろうと心の距離を近づけるほど、互いに傷付けあって一定距離以上は近付けない心理を指します。

人間同士が仲良くなるためには「近づくこと」が絶対条件となりますが、近寄りすぎると互いの考え方の違いから緊張感にさいなまれ、反発が起きることがあります。ところが離れすぎてしまうと疎外感が生まれ、違和感を抱いてしまいます。

「どうすれば上手に心の距離を取れるのか、うまくコミュニケーションを取るにはどうすればいいのか?」といった人間が抱えやすい傾向にある問題を指す言葉として使われます。

 

名前の由来は哲学者による寓話

ジレンマとは、葛藤やイライラ、もどかしさという意味の言葉です。

アメリカの精神分析医「ベラック」は、哲学者「ショーペンハウアー」の寓話に出てくるヤマアラシの出来事が、「互いに親密になりたいのに近付けない」という人間関係の葛藤に似ているとして「ヤマアラシのジレンマ」と名付けました。ベラックが引用した童話には、次のように書かれています。

「寒い冬の日に、2匹のヤマアラシが暖を取ろうと互いの体を寄せ合おうとしたところ、身体のトゲが互いを刺してしまいました。痛みから身体を離すと、今度は寒さに耐え切れなくなってしまいます。2匹は近づいたり、離れたりを繰り返しながら、ついには互いに傷付けずに済み、互いに暖め合うことができる距離を発見し、その距離を保ち続けました。」

このようにヤマアラシのジレンマの解決策は、良い人間関係を築くには適切な距離感をそれぞれが保つことです。

 

ビジネスにおいてヤマアラシのジレンマを乗り越える解決策は?

上司と部下、同僚、ステークホルダーなど、ビジネスにおける人間関係は複雑であり、非常に繊細です。

古代ギリシャの哲学者アリストテレスが「人間は社会的動物である」と提唱しているように、私たちは社会の中で常に他人と繋がりながら生きています。

そのため、人間関係の悩みは少なからず誰しもが抱えてしまいます。もし人間関係に悩み、ヤマアラシのジレンマに陥ってしまったら、寓話に出てきたヤマアラシのように「互いに適切だと思える距離を見つける」ことが重要です。

自分にとっては何でもないことでも、相手にとっては不快に感じてしまうこと、もしくはその逆も存在します。お互いが別の人間である以上、気持ちや考え方のすべてを理解し合うことは不可能だと言えるでしょう。

そこでヤマアラシのジレンマを乗り越え、お互いに適切な距離を見つけるには、まず他人が自分とは違う人間であることを理解することが必要になります。

そして相手の言葉を注意深く傾聴し、自身の気持ちを整理して、相手に分かりやすく伝えるコミュニケーションを心掛けましょう。そうした互いを尊重し合った関係を築くことで、ヤマアラシのジレンマは乗り越えることに繋がります。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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