HRM - 一般社団法人日本経営心理士協会
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HRM

HRMとはHuman Resource Managementの略で、日本語では「人的資源管理」「人材マネジメント」と訳されます。

企業の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」といわれますが、その中でもヒトはほかの経営資源とは異なり、景気や外的要因の影響を受けにくく、業務や教育などによってスキルや成果を伸ばし、生産性を高めることができるため、経営戦略を実現する上で特に重要な経営資源と考えられています。

 

HRMが注目されるようになった背景

かつて、ヒトは資源ではなく「コスト」や「労働力」と考えられていました。
このため、個人の適正などを考慮しない人材配置がなされたり、教育・人材開発がなされなかったりするなど、ヒトを活用できない状態が多くの企業にありました。
こういったことが生産性の低下や組織の疲弊を引き起こし、結果的に人材定着率の悪化・業績の悪化などを招いていました。

しかし近年では、労働人口の減少や高齢化が進み、少ない人的資源からより多くの価値を生むために、HRMつまり人的資源の管理・マネジメントが重視されるようになりました。

 

HRMの役割

HRMは企業のビジョンや経営戦略の実現のために、その人的資源を最大限活かすことが役割です。

そのためそれは単に人事管理を行うものではなく、長期的なビジョンをもって、計画的に人を育て、最大限活用していくことを意図して進めていくことが重要になります。

また、人事担当者だけではなく、経営者や管理者なども積極的に携わっていく必要があります。

 

HRMのメリット

HRMを進めていくことで、企業は経営戦略やビジョンの実現に向けた中長期的な人材育成に取り組むことができ、従業員のスキルアップや生産性の向上、エンゲージメント向上による離職率低下などがメリットとして期待されています。

 

HRMの2つのモデル

ミシガンモデル

ミシガンモデルは、1980年代にミシガン大学などで行われた研究が基となっており、当時この研究メンバーで発表した書籍「Strategic Human Resource Management(戦略的人的資源管理)」から「SHRMモデル」とも呼ばれています。

ミシガンモデルでは、組織に内在する「採用と選抜」「人材評価」「人材開発」「報酬」のHRMの4機能を循環させることで、個人と企業のパフォーマンスを最大化させることができるとしています。

具体的には、最適な人材を配置し(採用と選抜)、適切な評価を行い(人材評価)、適切な報酬を与える(報酬)ことで、その人材の能力を最大化させること、更には、この循環が回るように教育・マネジメント(人材開発)を行うことによって、個人の価値を高め、企業のパフォーマンスを最大化させることができるのです。

ハーバードモデル

現在、実務的に扱われている多くのHRMは、ハーバードモデルの概念が基になっています。

ハーバードモデルは、1980年代にハーバード大学で行われていた研究をベースに生まれたもので、HRMは「状況的要因(従業員の特性、経営戦略、労働市場)」と「ステークホルダー(株主、経営者、従業員)の利害」の2つから影響を受けるとされています。

また、その上で、HRMの基本要素を「従業員の影響」「人的資源のフロー」「報酬システム」「職務システム」の4つと定義し、これらを機能させることで、個人の能力と成果の向上に繋げること、そしてその成果として人的資源の有効性と、個人と企業の目標を合致させることを掲げています。

 

HRMの実行に欠かせないスキル

HRMは、その概念の理解だけではなく、企業の経営戦略に基づく戦略的人材開発やその仕組みの構築が不可欠となります。

それを実行するにあたり、特に必要なのは「マネジメント能力」といえるでしょう。個人に対するアプローチや、組織の利益を最大化させるためのアプローチには、高度なマネジメント能力を要します。

人材や働き方が多様化する中で、個々人にあったモチベーション管理や目標設定、適切な配置や納得感のある評価をマネジメントしていくことが、HRMつまり人材マネジメントに求められるものなのです。

 

かつての「PM」との違い

PM(Personal Management)はヒトをコストと捉えた場合の人的管理を指します。

日本語では「個人管理」などと訳され、高度経済成長期である1970年頃に広く浸透していた考え方です。

当時は人口増加と大量消費の時代。企業は生産力の安定のために終身雇用制や年功序列制を取り入れることで、大量に雇用した従業員が長く働き続けられるようにしました。

こうした個人管理は、従業員の離職を防止することには成果を上げましたが、経済成長に陰りが見えはじめ、モノが売れなくなってきた1980年代からは、PMのような人を管理統制する手法は通用しなくなってきました。

モノが売れなくなってからは、企業は「低コスト」「生産性の向上」を実現することが必要になりました。

そこで企業は従業員の生産性向上のため、育成やマネジメントを行うこととなります。これが、HRMが広まったきっかけです。

人は教育や育成次第で重要な経営資源となりえます。

単に制度や待遇で人を管理するのではなく、少ない人的資源で最大限の効果(生産性・売上・利益)を出すことこそが、PMとHRMの違いです。

 

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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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