動機付け理論
動機付け理論は、臨床心理学者のフレデリック・ハーズバーグによって提唱された行動科学理論です。
動機付けは「モチベーション」のことで、目標へ向けた行動を保持・促進するための過程あるいは機能のことを指します。
ハーズバーグの研究によって、仕事の動機付けに満足感をもたらす要因と不快感をもたらす要因は全く種類の異なるものであることが判明しました。
それが動機付け理論における「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2種類です。
内発的動機付けとは
内発的動機とは、好奇心や探求心、向上心など、本人の内部から発生しているものです。
身近なものだと、趣味の活動など損得なく行われるものが内発的動機付けによる行動にあたります。
自分の内部にある、「やりたいからやる」「楽しいからやる」といった意思がモチベーションとなり、行動へとつながります。
内発的動機付けの報酬は、金銭や他者の評価ではなく、自身の内部におこる充実感や達成感などです。
このため、内発的動機付けは人それぞれ異なります。例えば「競争で成果をあげる」ことが喜びになる人もいれば、ストレスになってしまう人もいます。
また、自分自身で何か目標を決めて実行しているという感覚も内発的動機付けになるといえます。
内発的動機付けのデメリットは他者からのアプローチが困難であることです。
このため、本人が内発的動機付けができていない際の対処が難しいと考えられます。
外発的動機付けとは
外発的動機付けは、昇給や昇進など外部から与えられる報酬による動機付けです。
当人が何を外発的動機付け要因としているかを見極めることで、効果的なマネジメントを行うこともできます。
外発的動機付けは効果がすぐに出やすい一方で持続性に欠けることもあり、特にその傾向は金銭的報酬において顕著であるといえます。
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動機付け要因と衛生要因(二要因理論)
モチベーションに影響する要因には、「動機付け要因」と「衛生要因」の2つがあることをハーズバーグは提唱しています。
動機付け要因
動機づけ要因とは、この要因が満たされるとモチベーションが大きく上がるものの、この要因が満たされなくてもモチベーションが大きく下がるわけではない要因をいいます。
具体的には、目標を達成する、他者から認められる、成長するなどが挙げられます。
動機づけ要因は促進要因とも呼ばれ、この要因が満たされると、より仕事に対して意欲的になります。
衛生要因
衛生要因とは、この要因が満たされても大きくモチベーションが上がるわけではないものの、この要因が満たされないとモチベーションが大きく下がる要因をいいます。
具体的には、会社の方針、運営の仕方、監督者、給料、人間関係といった要因が挙げられます。
衛生要因の特徴として、これらの不満足要因を整備・解消することがモチベーションの低下を防ぐうえで、大きな効果をもたらします。
動機付け要因を満たすことでモチベーションを高めつつ、衛生要因にも配慮してモチベーション低下をもたらす要素を排除していくことで、部下が継続して高いモチベーションで働ける環境を作ることが、マネジメントに求められる重要な要素となります。
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