2021.9.21仕事ができる人に共通する特徴、考え方、習慣/上司や顧客からの評価の高め方
この記事の執筆者
藤田 耕司(ふじた こうじ)
(社)日本経営心理士協会 代表理事/経営心理士、公認会計士、税理士
19歳から心理学を学び、1,200件超の経営指導の経験を基に成果を出す人の行動を心理学的に分析し、経営心理学として体系化。その内容を指導し、経営改善の成果を高める。
その手法を伝える経営心理士講座を開講。国内、海外からのべ4,000名超が受講。民間企業や金融庁でもその内容が導入される。日経新聞、日経ビジネス等、メディア取材も多数。
日本経営心理士協会代表の藤田です。
私は経営心理士として優れたビジネスパーソンの行動を心理学的に分析した結果を経営心理学として体系化し、経営のコンサルティングを行っています。
その中で人材育成の仕事もしてきましたが、それは「仕事ができる人」を増やす仕事でもありました。
そのため、クライアントから「仕事ができる」とは具体的にはどういうことかについて詳しくヒアリングし、「仕事ができる」と高い評価を受けている人の行動を分析しました。
その分析の結果をクライアントの社員に共有することで人材育成の効果を高めてきました。
また、そのエッセンスを経営心理士講座でお伝えし、受講生の方が成果を残されています。
実際の受講生の成果についてはこちらをご覧いただければと思います。
今回は経営心理士講座の中でお伝えしている、仕事ができる人に共通する特徴、習慣、考え方、業務の進め方の内容の一部をお伝えしたいと思います。
仕事ができる人の習慣
仕事ができる人は仕事に取り掛かる際に、「その目的を確認し、その目的に応じた形で対応する」という習慣を持っています。
私の部下にとても仕事ができる部下がいます。
お客様との打ち合わせに際して、「議事録取っておいて」と伝えると、彼から「取った議事録はどう使われますか?」と聞かれました。
私は「〇〇チームのメンバーに今日の打ち合わせの内容を共有できるようにしたいと思うんだけど」と伝えました。
すると彼は「〇〇チームのメンバーは今回の打ち合わせに至った背景を知らないと思うので、その背景のところから議事録にまとめておきましょうか?」と提案してくれたので、私は「それはありがたい。ぜひ頼む」とお願いしました。
この例では、議事録を取るという仕事に対して、彼はその目的を確認しています。
そして、〇〇チームのメンバーに共有するという目的をより果たしやすくするために、打ち合わせに至った背景からまとめてくれました。
もしその目的が私が備忘録として使うということであれば、背景をまとめる必要はなかったでしょう。
また、私が信頼を置く外注先に「このデータを集計しておいてください」と頼んだ際、先方から「集計結果はどのように使われますか」と聞かれました。
私は「講演の時に使うパワーポイントのスライドにその集計結果を載せようと思います」と伝えました。
すると、先方は「分かりました。では、集計結果はエクセルとパワーポイントの両方でお渡しした方がいいですか?」と提案してくれたので、「そうですね。両方もらえるとありがたいです」とお願いしました。
この例でもデータを集計するという仕事に対して、外注先はその目的を確認しています。
そして、エクセルとパワーポイントの両方を提出するという目的に合った形で対応してくれました。
私はエクセルで提出されるものだと思っていたので、そのエクセルデータを自分でパワーポイントに加工するつもりでしたが、その手間が省けてとてもありがたく感じました。
このように仕事ができる人は「目的を確認し、目的に応じた対応をする」という習慣を持っています。
仕事ができる人の特徴
仕事ができる人に共通する特徴として挙げられるのが、「一手先を読んでいる」ということです。
仕事ができない人は、一手先を読むことなく、行き当たりばったりで仕事をします。
そして、仕事を進めていくうちにその場ですぐ対応できなくて成果を残すことができなかったり、二度手間になって業務の非効率が生まれたりします。
一方、仕事ができる人は必ずと言っていいほど一手先を読んでいます。
何かの仕事をする際にはその先の展開をイメージし、その状況において滞りなく仕事が進められるように事前に動きます。
例えば、上司と外出する際には、上司が来るタイミングでエレベーターが開くように先にエレベーターのボタンを押しておきます。
タクシーを呼んだ際は、上司が乗ったタイミングですぐに出発できるように、先にタクシーに乗って運転手に行き先を伝えておきます。
営業に行く際には、お客様から質問されそうなことについて予め調べておき、質問されても的確な説明ができるように、加えて関連資料も見せられるように準備しておきます。
部下に仕事を任せる際には、部下がスムーズに仕事を進められるように参考になるサイトのURLも合わせて伝えます。
この一手先を読むという特徴は仕事の成果を大きく高めます。
仕事ができる人の考え方
仕事ができる人は常に「理由」を考えます。
何かがうまくいった場合は「なぜうまくいったのか」、その理由を考えます。
そしてその理由を明確にすることで、成功に再現性を持たせ、次にまた同じことをした場合も成功させます。
逆に、何かがうまくいかなかった場合は「なぜうまくいかなかったのか」、その理由を考えます。
そしてその理由を明確にし、失敗しないための対応策を講じ、同じ失敗を繰り返すことがないようにします。
このように成功に再現性を持たせ、同じ失敗は繰り返さないということを続けていくため、短期間で要領をつかみ、安定して高い成果を出すようになります。
こういった経験を積むと、新たなことに挑戦しても素早く要領をつかみ、高い成果を出せるようになるという自信がついていきます。
その自信が得られると様々なことに挑戦し、更なる可能性を手に入れていきます。
これまで様々な事業を立ち上げ、次々に成功させていく経営者を複数見てきました。
彼らは計画段階で成功を確信しているわけではなく、ある程度の可能性が見込めたら思い切って挑戦します。
ただ、そこから様々な業務を進めていく中で成功の理由、失敗の理由を細かく分析し、その事業の要領をつかみ、安定して成果を出せるようにしていきます。
このようにして複数の事業を軌道に乗せていくのです。
経営心理士講座の受講生の方もこの考え方に基づいて事業を拡大されている方が数多くいらっしゃいます。
そういった方々の事例はこちらをご覧いただければと思います。
仕事ができる人の業務の進め方
仕事ができる人は業務を進める際、ゴールから逆算して進めます。
ゴールを確認せずに行き当たりばったりに業務を進めると、後で取り返しのつかないことになりかねません。
仕事ができる人はそうならないように、まずゴールを確認し、そのゴールに最短の早さでたどり着く方法を、最小の努力ですむように実行していきます。
そのためにゴールを確認する際には次の点を確認します。
・具体的にどういう状況になれば完成したと言えるのか、完成の定義
・いつまでに終わらせなければいけないのかの締切
・他の仕事とこの仕事の優先順位はどちらか
こういったことを成果物の提出先となる上司や顧客と、事前に入念にすり合わせ、明確なイメージを持ってから業務に着手します。
そして、業務着手後、想定外の事態が生じると、素早く上司や顧客とコミュニケーションをとり、計画の軌道修正を図ります。
そのコミュニケーションを取る際にも、対応策を複数用意し、各対応策のメリット、デメリットを説明した上で、どの対応策をとるかの判断を仰ぎます。
仕事ができる人になるために必要なこと
以上から仕事ができる人になるために必要なこととしては、次のことが挙げられます。
・何かに取り組む際にはその目的を意識する
・一手先を読んで行動する
・成功しても失敗してもその理由を考える
・業務に取り組む際にはゴールから逆算して進める
ただ、こういったことを一度目にしただけでは、明日にはこの記事を見た事すら忘れている可能性が高いでしょう。
これらのことを絶えず意識し、定着させて仕事ができる人になるためには、常に目に入る環境を整えることです。
まずはこの4つを紙に書いて壁に貼る、スマホの待ち受け画面にするなどして、一日に何度かは目に入るようにしてみてください。
これをやるかどうかで仕事ができる人になれる確率は大きく変わるでしょう。
以上、仕事ができる人の特徴、習慣、考え方、業務の進め方、そして仕事ができる人になるために必要なことをお伝えしてきました。
今回の内容は経営心理士講座のビジネスコミュニケーション心理士コースクラスAの一部をお伝えしています。
この講座では仕事ができる人の行動やコミュニケーションを分析した内容を、実例を交えてテーマ別に体系的にお伝えしています。
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経営心理士講座は成果の高さが認められ、金融庁や日本銀行、大手企業、大学の研修や講義などにも導入されています。
このビジネスコミュニケーション心理士コースクラスAの詳細はこちらですので、ご興味ある方はご覧ください。
ビジネスコミュニケーション心理士コースクラスA ~人を動かす対話の進め方~
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各コースの日程はこちらになります。
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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。