バーナードの組織の3要素 - 一般社団法人日本経営心理士協会
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バーナードの組織の3要素

バーナードの組織の3要素とは、アメリカの組織論の学者である、チェスター・バーナードが提唱した組織が成立するための3つの要素をいいます。

3つの要素は、「共通の目標」「協働の意欲(貢献意欲)」「コミュニケーション」を指し、組織にはこれら3つの要素のいずれかが欠けてしまうと組織不全になってしまうため、一定基準以上が必要と定義されています。

まず、バーナードが定義する組織の3要素をそれぞれ見ていきましょう。

 

1.共通の目的 

組織で目標達成のために不可欠なのが、共通の目的を持つことです。

共通の目的とは、経営陣や従業員などの関係者が目的を共有し、その達成に向けて協働していくことをいいます。

共通の目的には、2つの側面があります。

1つは、「協働的側面」。これは、企業の理念や個人が持っている情報を共通することで、その達成に向けた共同を指します。

そしてもう1つが、「主観的側面」。これは、個人的な目的のことを指し、「家族のため」や「社会とつながりたい」等といった、個人的な目的のことを指します。

共通の目的があることによって、メンバーそれぞれが同じ方向へ向かって足並みを揃えることが可能になります。

このように強い組織力を培うためには、メンバーが目指したいと思える共通の目的を設定することが組織には求められており、「企業理念」や「ビジョン」の設定などがこれに該当します。

 

2.協働の意欲(貢献意欲)

協働の意欲とは、組織メンバーの共通目的を達成しようとする意欲のことをいいます。

「組織のために頑張りたい」「共通の目標に向かって頑張りたい」などの気持ちが強いほど、組織力が強くなります。

協働の意欲(貢献意欲)は、「モチベーション」を指し、「誰かがやるだろう」「協力しても無駄」など、非協力的でモチベーションの低いメンバーがいると組織力は弱くなってしまいます。

低い協働意欲が業務の進捗を鈍化させ、生産際の低下を招いてしまうことは言うまでもありません。

経営戦略を明確にして共有することはもちろん、メンバー同士でサポートしあえるよう良い関係を維持し、コミュニケーションの円滑化に努めることも協働の意欲を高めるために不可欠です。

 

3.コミュニケーション

コミュニケーションとは、メンバー同士の情報共有のための方法です。

仕事の指示、報連相、提案なども、すべてコミュニケーションで情報共有されます。

円滑なコミュニケーションはトラブル発生時に的確な対応を行うために求められる要素の1つです。

トラブルが小さなものであるうちにコミュニケーションをとることで、問題が大きくなる前に解決への取り組みを行うことができ、さらなるトラブルの抑制に繋がったりします。

組織が成立するためには、トップダウン型の指示命令だけではなく、横のつながりであるコミュニケーションを的確に行うことも必要といえるでしょう。 

 

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バーナードの組織の3要素を活用している組織の例

「共通の目的」「協働の意欲」「コミュニケーション」の3つの要素を活用している組織について、身近な例でみてみましょう。

・スポーツチーム

スポーツチームはその最たる事例の1つといえるでしょう。

例えば、野球はチームが勝つことを共通の目的として高い協働の意欲を持ち、メンバーそれぞれがコミュニケーションを取りながら目的に向かってプレーします。

また、スポーツチームはメンバーの入れ替わりもありますが、メンバーが入れ替わっても勝つという目的を失うことなく活動することができます。

 

・アーティストグループ

テレビやコンサートなどで観るアーティストグループも組織の1つです。

例えば、アイドルグループは、有名になることや、スターになるなどの共通の目的を持ち、協働の意欲を持ってステージを完成させます。

また、メンバーの加入や解散を繰り返しながらも、グループを維持し活動を続けています。

人気が出るとファンからの評価はもちろん、いろいろなテレビ番組に出演することが報酬になり、グループに対する協働意欲はさらに高まります。

  

「組織」だからこそできる目標達成のために

バーナードの組織の3要素は、「一人では達成できないことに対し、メンバーとともに取り組む」ために必要な要素であるともいえます。

「組織」であることによって達成できる目標や、提供できる価値があるのであれば、個々人が自ずとこの3要素を満たすための行動を起こそうとするでしょう。

組織が適切に機能するためには、組織のリーダーには、メンバーに対し、組織であることでできることを明確に示し、この3要素をより高めるための取り組みを行うことが求められます。

 

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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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