クリティカルシンキング - 一般社団法人日本経営心理士協会
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クリティカルシンキング

クリティカルシンキングは、日本語で「批判的思考」と訳されます。

とはいえ、欠点や粗を探すための思考法ではなく、「これは本当に正しいのか」という視点で物事を見ることにより、より正しい論理へ導くために論理的・構造的に思考するパターンのことをいいます。

 

組織において、クリティカルシンキングの活用は、計画立案や問題解決、意思決定における基盤づくりや技術構築に向けた主体的解決の実行に繋がります。

また、クリティカルシンキングに求められる、分析・推論・伝達スキルは、コミュニケーションの円滑化にも大変役立ちます。

 

  • なぜクリティカルシンキングが必要なのか

近年、デジタル化やAIRPAの浸透など、ビジネスを取り巻く環境が大きく変化しています。

従来の方法が通用しないケースや、新しい手法を考えざるを得ない場面に直面したケースも、一度や二度ではないはずです。

クリティカルシンキングの「これは本当に正しいのか」という視点は、これまでの考えや通例に固執せず、新しい切り口やアイデアを思考し、多角的に物事を見る姿勢が、これからさらに求められる思考スキルといえるでしょう。

 

ロジカルシンキングとの違い

クリティカルシンキングと類似する思考法に「ロジカルシンキング」があります。

ロジカルシンキングは「論理的思考」と訳され、矛盾なく順序立てた思考や、矛盾や破綻のない筋道立てられた結論を導き出す思考法です。

クリティカルシンキングが問いや前提条件が「本当に正しいのか」を客観的視点から検証することにより解を導き出すのに対して、ロジカルシンキングはより分かりやすく人に情報を伝えたり、矛盾のない結論を出したりする点で違いがあります。

しかしながら、この2つの思考法は相反するものではありません。それぞれの特徴や方法を理解して、使い分けや組み合わせていくことで、より高い効果を発揮するケースもあります。

例えば、前提条件の検証にクリティカルシンキングを用いることで、「前提条件にズレがないか」「目的やゴールは目指すべきものであるか」を考えることができます。
そして、その後にロジカルシンキングを用いることで、情報の整理や分析を通して課題の洗い出しを行うことができます。

 

  • クリティカルシンキングのメリット

クリティカルシンキングのメリットは大きく3つあります。

 

◆物事の矛盾や検討項目の抜け漏れをなくすことができること

結論を出すためのもとになる「情報」は、正しいものでなければなりません。

クリティカルシンキングを用いることで、前提条件の正否や抜け漏れの有無を慎重かつ確実に検討することができます。

 

◆物事の本質を見極めるために有効であること

「どうして?」「これでいいのか?」といった批判的・懐疑的な思考法は、続けることによって、不要なものをそぎ落とした本質を導き出すことに繋がります。

 

◆問題解決や意思決定の効果を高められること

物事の本質を掴むためには、余計なものをそぎ落とすことに加え、深く掘り下げていく必要があります。本質が明確になることにより、課題や解決方法も明確になり、意思決定のスピードや効果を最適化・最大化させることができるのです。

 

  • クリティカルシンキングを鍛える方法

クリティカルシンキングを鍛えるには、次の3つの姿勢を持つことが重要です。

・目的を常に意識すること
・自分の思考のクセを前提にもつこと
・常に深く問い続けること

 議論を続けるうちに、根本の課題を見失ってしまったり、思い込みや過去の実績から解を導こうとしてしまったり、といった場面はないでしょうか。

こうしたことから、本来解決すべき課題に取り組めなかったり、本質とは異なる結論を出してしまったりしないよう、客観的視点から深く問い続けることこそがクリティカルシンキングであり、実践し続けることにより、本質をとらえながらビジネスを前進させていくことができるようになっていきます。

 

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https://keiei-shinri.or.jp/?Glossary

 

では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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