2020.8.4同じ言葉でも「誰が言うか」で相手の反応は変わる。影響力の心理とは。
「彼はね、私の言うことにはいちいち反対するんですよ。
でも、他の人間から言われたことは素直に聞くんです。
だから余計に腹が立ちますよ」
自分の言うことを聞かない部下。
でも、同じことを別の人が言うと、言うことを聞く。
同じ言葉を発しているのに、なぜこうも部下の反応が違うのか?
そんな疑問を感じたことはないでしょうか。
この疑問の答えの鍵となるのが「影響力」です。影響力とは人を動かす力です。
部下が自分の言うことを聞かないのであれば、それは部下に対して影響力を発揮できていないことになります。
では、影響力とは一体、何なのでしょうか。
ビジネスで影響力が求められる理由
ビジネスでは、部下、上司、お客様といった「人」とコミュニケーションをとり、動いてもらうことが必要になります。
部下にはモチベーション高く、自分の言うとおりに動いてもらう。
上司には自分の意見を受け入れてもらい、高く評価してもらう。
お客様には商品を買っていただく、他のお客様を紹介していただく。
そんな風に動いてもらうことができれば、仕事は順調に進んでいきます。
そのため、ビジネスでは「人」を動かす力である影響力が求められます。
多くの社員を率いて強い組織を作る社長は、社員に対して強い影響力を発揮しています。
優れた営業成績を収める営業マンは、お客様に対して強い影響力を発揮しています。
この影響力はどのように生じるのでしょうか。
言葉の力は信頼の度合いに比例する
影響力は「何を言うか」という言葉と、「誰が言うか」という主体の2つの要素から構成されると考えています。
「誰が言うか」の主体の要素として重要になるのが信頼です。
相手からどれだけ信頼されているかで、発する言葉の力が変わります。
信頼されている人の言葉は強い影響力を持ちます。
大きな信頼を得ている人が言葉を発すれば、多くを語らずとも相手は動いてくれます。
一方、信頼されていない人の言葉は影響力を持ちません。
信頼を失った人が何を話したところで相手は動いてくれないでしょう。
つまり、言葉の力は信頼の度合いに比例します。
「信頼が大事」「信頼第一」
ビジネスの世界ではそういった言葉を頻繁に耳にします。
なぜこれだけ信頼が重視されるのか。
それは、信頼は影響力に直結するからです。
そして、影響力はビジネスの結果を大きく左右するからです。
人間的信頼と能力的信頼の両方を得る
では、信頼とは一体、どういうものなのでしょうか。
信頼は「人間的信頼」と「能力的信頼」とに分けられます。
人間的信頼は人柄や人間性に関する信頼です。
能力的信頼は能力や実績に関する信頼です。
ビジネスの世界で言葉が影響力を持つようになるためには、人間的信頼と能力的信頼の両方が必要とされます。
仕事はできて十分な実績を残しているけど、人間的には軽蔑する人。
こういう人は能力的信頼は得られても、人間的信頼は得られていないでしょう。
一方、人柄や人間性は素晴らしいが、仕事はまるでできない人。
こういう人は人間的信頼は得られても、能力的信頼は得られていないでしょう。
いずれの人の言葉も素直に聞くことは難しいと思います。
人柄や人間性が素晴らしく、仕事もできて十分な実績を残している人。
こういう人の言うことであれば、素直に聞けるのではないでしょうか。
そのため、ビジネスの世界で影響力を発揮するには、人間的信頼と能力的信頼の両方が求められます。
人間的信頼を感じる人の特徴
能力的信頼は、スピードと正確性を持って仕事をこなし、求められる成果をあげ、実績を残していくことで培われていきます。
そのため、能力的信頼を得るためにはどうすればいいのかは比較的イメージしやすいと思います。
一方で、人間的信頼は抽象的なものであるため、人間的信頼を得るためには具体的に何をすればいいのかについてはイメージしにくい方がほとんどではないでしょうか。
経営心理士講座の経営心理入門では、受講生の方に「どのような人に人間的信頼を感じるか?」というテーマでこれまで1,000名以上の方にディスカッションをやっていただき、出た意見を記録してその内容を分析してきました。
その結果、記録された数々の意見は3つの要素に分類できることが分かりました。
そして、具体的にどういった行動、発言、振る舞い、態度が人間的信頼に繋がるのかの傾向も明らかになりました。
経営心理入門ではこの3つの要素について、ビジネスの現場の実例を交えて体系的に説明し、その在り方を身に付けていくためのワークを実施していきます。
経営心理入門の受講生からの報告
人を動かすため影響力を発揮しようと、「何を言うか」を考える人が非常に多いと感じます。
ただ、経営心理入門を受講された方は「何を言うか」の前提として信頼を得て「誰が言うか」の「誰」にならないと、何を言っても意味がないことに気付かれます。
不動産会社を経営されている受講生の方は、部下に対して強い口調で指示をするものの、受け身の姿勢でしか動かない状況に苛立ちを覚えていました。
ところが講座を受講する中で、信頼を得ていない状況でいくら強い口調で言葉を発しても、その言葉は影響力を持たないことを実感されます。
以降、「何を言うか」以上に「誰が言うか」を意識し、信頼を得る在り方を徹底されました。
その結果、言ってもなかなか動かなかった部下たちが、自分が何も言わなくても自発的に動いてくれるようになり、業績は2倍以上に上がっています。
また、規模を拡大され、オフィス増床のための引っ越しを既に2回されています。
また、金融業界の営業職の方は、紹介をもらうことを重要視し、お客様に「周りに○○でお困りの方がいらっしゃいましたらご紹介下さい」と伝えるも、なかなか紹介が得られず、営業成績も伸び悩んでいました。
そこで発する言葉の力は信頼の度合いに比例することを知り、日々の在り方を変えられました。
その結果、じわりじわりと紹介が来るようになり、今では優れた営業成績を残すようになり表彰を受けるまでになったとのことです。
この経営心理入門の詳細は下記のリンクご参照いただければと思います。
ご興味がありましたら、ご覧いただければと思います。
「経営心理入門」の詳細はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/applyinfo/course/keiei/
経営心理士講座のダイジェストをお伝えするプレセミナー(講座説明会)の詳細はこちら
https://keiei-shinri.or.jp/open-seminar-management/